保育士賃上げ!!最低賃金レベルからの脱却!?

時事ネタ

【安いのは当たり前じゃない!保育士の給料が上がる!?】

日本人の平均年収は約443万円。

一方で約382万円の世界があります。

資格を取得した上でも安い業界と知られて久しい保育士業界ですが、この度、賃上げが実現するかも知れません。

【こども家庭庁】の2024年度補正予算案の概要が27日判明しました。

そこには、保育士らの賃上げなどの処遇改善のために1150億円を計上しています。

狙いとしては人手の確保。

そして質の高い子供の成長環境の実現のためです。

他にも保育施設整備にも840億円を充てる方針です。

令和2年時点での統計では、保育士は約167万人。

保育士の人数は法律でも決まっているので、純粋に保育士の確保と人材の充実は嬉しいニュースであると思います。

ですが、一方でこのような意見も。

「保育士なんて誰にでもできる仕事が、給料が安いのは当たり前」

私の意見を言ってしまえば、この世の中でたった1人にしか出来ない仕事の方が少なく、ほとんどの仕事が研修期間さえあれば誰でも出来ると考えているので、この意見は全くの勘違いであると言わざるを得ないです。

しかし、Google検索をしてみると――――

『保育士 給料安い 当たり前』

サジェスチョンにこうした単語が出てきてしまいます。

かなりの人数が、そう考えているという指標の一つですね。

では、そもそもなぜ保育士業界は安いのか?

保育士なんて誰にでも出来る 大前提の勘違い!!

まず、保育士と共にこう言われている業界が【介護】の現場です。

かつて、日本では老後の介護はお嫁さんの役割であり、誰にでも出来るという意見は年齢を重ねた人間に多く見られます。

子育てにも、こうしたステレオタイプな物の見方が関係していると言えるでしょう。

保育士には特別なスキルは必要ないと思われていますが、実際はそうではありません。

充分に勉強をし、国家資格を取得する必要があります。

国家資格、すなわち保育所で働くには専門的な知識やスキルが必要であると、逆説的に言えます。

子供たちと楽しく遊ぶだけでイイ楽な仕事――――

かなり古い偏見ですので、脳みそをアップデートすることをオススメします。

私の親戚に保育士をしている女性がいます。

彼女は専門学校に3年間通い、毎日勉強し、そして努力の結果夢だった保育士という職業に就いています。

現在も毎日が勉強であると、彼女は語ります。

個々の子供たちの個性や性格。

流行っている病気に対しての対策や、怪我などのリスクヘッジ。

誰にでも……ではないことが分かると思います。

第一に、人様の大切なお子様を預かっているので、気を引き締めないと大変だとも話しており、精神的にも1年目などは特にキツかったと聞いています。

利益を追求できない

大前提として、保育所は一般企業とは違います。

利益を出すことを目的に運営はされていないのです。

では、どこからお金をもらっているのでしょう?

国です。

国からの補助金と保護者からの保育料で、運営しています。

ここが肝です。

なぜならば、どちらも容易に上げられるものではないからです。

補助金の財源は税金です。

とすると、国民生活に直結するために上げるのは簡単じゃないことが分かります。

では、保育料は?

こちらも同様に、大幅な値上げなどをしてしまうと、子供を預けられないご家庭が出てくるのは想像に難くありません。

すなわち、収入源が限られているのに加え、安易に変動できないのです。

働きながら育てる仕事との両立に欠かせない!!

保育士の仕事の重要性が理解できていない人が多いです。

もしも保育士が減り、保育所がなくなれば、子供を預けられずに働けない人が増えます。

すると、国民全体の利益が減ることと直結します。

保育士の仕事というのは、社会への貢献度が非常に大きいのです。

かつて、上記のような状況に陥り、

『日本死ね』

と、怒り心頭のお母さんがネットに書き込んだことが、大きな社会現象になったことがあります。

強い言葉だけが先行してしまっていますが、前後には「また保育所に断られた」「このままでは働けないではないか」という苦悩が記されています。

こうした悩める親御さんのためにも、保育士は欠かせないのです。

保育士賃上げ戦記!!

こうした状況を鑑みて、国は保育士・幼稚園教諭などを対象にした処遇改善を2015年から段秋的に行ってきました。

2022年には保育士の収入を3%程度アップさせています。

しかし、3%は月換算すると『月額9,000円』程度。

長い長い戦いですね。

こうした長い戦いに疲れ果てた保育士はどうなるのか?

辞めていきます。

その上、上記のように保育士は思われているよりも仕事量が多く、残業もあります。

労働条件が厳しいのに、給料が安い業界を作り出しているのは国の招いた悲劇でしょう。

今回の上がり幅は実際はどうなの

三原じゅん子大臣は11月22日に保育士の人件費を前年度から10.7%引き上げると発表しました。

大きな前進でしょう。

保育士の平均月収は2014年に約21万円。

2023年には約27万円。

そして今回は10%以上のアップ!

かなり改善されつつあるとも言えます。

しかしながら、依然として国の平均給与と比べると安いことや、地方などでは低い傾向にあることなど、まだまだ課題は多いです。

正当な仕事には、正当な報酬。

国には、仕事の重要性を認め、ちゃんと保育士が安心して働けるようにしてほしいですね。

KAI

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